KeePass 自動入力は、非常に便利です... というか、
「KeePass を使用するならば、自動入力は必ず利用すべき」
「KeePass 自動入力を利用しなければ、KeePass の本当のよさはわからない」
と言えると思います。
設定方法がちょっとわかりにくいかもしれないですが、コツを理解すれば全然難しくありません。
前準備 日本語入力をオフにするキーを割り当てる
日本語入力がオンの状態で、KeePass 自動入力を実行すると、おかしなことになります。
例えば、ユーザ名を "myname" と入力すべきところを、日本語入力がオンであれば "myなめ" となってしまいます。
ということで、使用している IME にて、日本語入力をオフにするためのキーを割り当てます。
ここでは、Windows XP で Microsoft IME Standard 2003 にて、日本語入力をオフにするためのキーを割り当ててみます。
他の OS や IME では、キーの割り当て方法は異なるかもしれませんが、考え方は同じです。
Microsoft IME Standard 2003 のプロパティを表示して、"設定" をクリックします。
"キー追加" をクリックします。
ドロップダウンリストから "F16" を選択して、"OK" をクリックします。
なお、必ずしも、"F16" であることが必須なわけではありません。未割り当てのキーであり、かつ、KeePass で指定可能なキーであればよいです。
すると、下記画面が表示されるので、印のついたところで右クリックして、機能選択を行い、"IME-オフ" とします。
下記画面のようになります。
これで、"F16" で日本語入力がオフになる、ということになります。
前準備 KeePass 自動入力における留意事項
KeePass 自動入力の設定を始める前に、幾つかの留意事項を書いておきます。
- KeePass 自動入力の、入力速度が早すぎると、うまく動作しないことがあります。
これを回避するために、KeePass 自動入力の設定では、{DELAY=100} を設定することで、入力速度を少し遅くします。 - KeePass 自動入力の、パスワード入力後には、少し待ちを入れないと、まれに認証に失敗することがあります。
これを回避するために、KeePass 自動入力の設定では、パスワード入力後に {DELAY 500} を設定します。 - KeePass v2.19 では、@ 以降の文字入力が、日本語入力になってしまう、という問題があります(バグ?)。
そして、さらにやっかいなことに、同じ KeePass v2.19 を使用していても、環境によって、問題が発生する環境と、問題が発生しない環境があります。私の場合ですと、複数の Windows PC があるのですが、例えば Windows XP の PC では問題が発生し、Windows Vista の環境では問題が発生しなかった。(これはおそらく、.NET Framework のバージョンに関連しているような気がします...)
これを回避するための、キー入力を考える必要があります。(具体的には後述します)
KeePass 自動入力の設定
以降では、KeePass 自動入力の設定について、説明します。
理解しやすくするために、IFTTT のログイン画面を例として、具体的に説明します。IFTTT のログイン画面を例として選択した理由は、KeePass 自動入力の設定に必要となる知識の要素が含まれているためです。
IFTTT ログイン画面を表示した様子が下記画面です。
そして、IFTTT ログイン画面にログイン情報を入力した様子が下記画面です。
KeePass 自動入力を設定するには、まず、入力の流れを考えます。
- "Username or Email" の箇所をクリックする。
- 日本語入力は無効になっていること。
- "Username or Email" に、ログインのためのユーザ名を入力する。
- "Tab キー" で "Password" の箇所に移動する。
- ログインのためのパスワードを入力する。
- "Tab キー" を 2 回入力することで、"Remember me" に移動する。
- "Space キー" 入力で、"Remember me" のチェックボックスを OFF にする。
- "Tab キー" を 1 回入力することで、"Sign in" に移動する。
- そして、"Enter キー" でログインを実行する。
では、上記の入力の流れを、KeePass 自動入力に設定していきます。
エントリの "自動入力" タブで、"このエントリで自動入力を有効にする" を ON にして、"追加" をクリックします。
"対象ウィンドウ" のプルダウンリストには、現在開いているウィンドウのリストが表示されます。そのリストの中から、IFTTT のログイン画面に相当するものを選択します。
そして、"カスタムキーストロークを使用" を選択します。
カスタムキーストロークを設定して、"OK" をクリックします。(カスタムキーストロークの設定内容については後述します)
作成した自動入力が表示されます。"OK" をクリックします。
これで、KeePass 自動入力の設定は完了です!
カスタムキーストロークの設定内容
カスタムキーストロークは環境に応じて、下記の 3 つのうちのいずれかです。差異部分は赤字にしてみました。
(注 : ちょっと見にくいですが、いずれの場合も、{TAB 2} と {TAB} の間には、半角スペースが 1 つ存在しています)
- 「@ 以降の文字入力が、日本語入力になってしまう問題」 が発生しない環境の場合
{DELAY=100}{F16}{USERNAME}{TAB}{PASSWORD}{DELAY 500}{TAB 2} {TAB}{ENTER} - 「@ 以降の文字入力が、日本語入力になってしまう問題」 が発生する環境の場合
{DELAY=100}{F16}{USERNAME}{F9}{F8}{ENTER}{TAB}{PASSWORD}{DELAY 500}{TAB 2} {TAB}{ENTER} - 「@ 以降の文字入力が、日本語入力になってしまう問題」 が発生する環境、および、問題が発生しない環境のどちらであっても大丈夫にしたい場合
{DELAY=100}{F16}{USERNAME}{F9}{F8}a{BACKSPACE}{TAB}{PASSWORD}{DELAY 500}{TAB 2} {TAB}{ENTER}
カスタムキーストロークについて、一つ一つ順にみていきます。
「日本語入力は無効になっていること。」
冒頭にて、日本語入力をオフにするキーを "F16" に割り当てました。
{F16} により、日本語入力をオフにしています。
「 "Username or Email" に、ログインのためのユーザ名を入力する。」
{USERNAME} により、ユーザ名が自動入力されます。
... が、(バグにより?)、@ 以降の文字入力が、日本語入力になってしまいます。このため、{F9}{F8}a{BACKSPACE} により、半角英数字にしています。
「 "Tab キー" で "Password" の箇所に移動する。」
{TAB} によって、Tab キーが自動入力されます。
「ログインのためのパスワードを入力する。」
{PASSWORD} により、パスワードが自動入力されます。
「 "Tab キー" を 2 回入力することで、"Remember me" に移動する。」
{TAB 2} によって、Tab キーが 2 回、自動入力されます。
「 "Space キー" 入力で、"Remember me" のチェックボックスを OFF にする。」
{TAB 2} と {TAB} の間には、半角スペースが 1 つ存在しています。
この半角スペースによって、Space キーが、自動入力されます。
「 "Tab キー" を 1 回入力することで、"Sign in" に移動する。」
{TAB} によって、Tab キーが自動入力されます。
「そして、"Enter キー" でログインを実行する。」
{ENTER} によって、Enter キーが、自動入力されます。
KeePass 自動入力を使う
作成した自動入力をログイン画面で使ってみます。
IFTTT ログイン画面を表示して、ユーザ名入力箇所を選択した状態で、自動入力実行のショートカットキーを実行します。デフォルトのショートカットキーは、左 Ctrl + Alt + A です。
すると、下記画面のように、選択肢が表示されるので、作成した方をハイライトした状態で Enter キーをおします。
自動入力が動いて、ログインできます。なんて便利なんでしょう!!!
KeePass 自動入力をさらに便利にする
上記画面のように、自動入力を実行すると選択肢が表示されます。
これは、KeePass エントリの "タイトル" で指定した文字列が、表示しているウィンドウに含まれていると、標準配列のキーストロークにもマッチするためです。
これを回避して、選択肢が表示されないようにするには、下記画面のように KeePass のオプション設定を表示します。
そして、下記画面のようにチェックボックスを OFF にします。
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